
【肌の炎症とスキンケア】
今回は趣向を変えて、肌とスキンケアについて書いていこうと思います。
この記事は主に、敏感肌の方を中心としたキツめの肌荒れ中のスキンケアってどうすればいいの?という人や、使っているスキンケアが全て合わない!何を使えばいいのかわからない…という人向けの記事になっています。
強い炎症やアレルギー、脂漏性皮膚炎、酒さなどによって私(長女)の肌は悲惨なことになっていました。赤みや痒み、どんな低刺激なスキンケア用品を使っても起こるヒリつきに体熱感、これらの症状は一度出てしまうと完治させることは基本的に難しく、何年かけても完全ではないのが現状です。
しかし、適切なスキンケアと施術、食生活や睡眠バランスの改善によって、寛解とその持続時間を延ばすことは可能です。
現在、私の肌はかなり回復し、強い炎症が起こることはほぼなくなりました。
炎症が強く出る時は必ず不調のタイミングと重なるので、肌の調子が体調における一つのバロメーターとなって出ていると感じます。
注意すべき点として、アレルギー、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、酒さといった炎症や諸病態は、引き起こされている状態が全異なっており、それぞれが個別に異なった治療を必要とします。そのため、個別の状態については別途に記事を設けることを考えており、今回においては肌の基礎的な部分にスポットをあてて進めていきます。
まず、簡単に皮膚の構造について解説します。皮膚は大まかに表皮と真皮、さらに細かく分かれてそれぞれが役割を持っています。
表皮は外側から「角層(かくそう)」「顆粒層(かりゅうそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層(きていそう)」の4つの層から成っており、その大部分を「ケラチノサイト(角化細胞)」と、それが変化した細胞が占めています。
一番外側にある角層は、角層細胞と細胞間脂質という物質が互いに重なり合っており、水分層と脂質の層が規則正しく並んでいます。このバランスが崩れると各層が持つ保湿機能とバリア機能が弱くなり、肌が持つ水分の蒸散や、外部刺激の侵入を許し、肌荒れを引き起こす原因となります。
また、角層細胞の内ではケラチンとNFN(Natural Moisturizing Factor)という成分によって潤いが保たれており、これらが適切に機能することが重要になります。
ではなぜそのバランスが崩れるのでしょうか。原因は多くありますが、保湿不足や摩擦、PM2.5、花粉、紫外線、酷暑や多湿による皮脂バランスの崩れ、ストレス、疲労、ホルモンバランスの乱れなどが特に挙げられます。
後半の身体的理由は置いておくとして、前半はスキンケアの見直しや物理的な遮断でひとまずの改善が見込めそうですね。
まずすべきことはしっかり保湿をし、摩擦(掻いたり擦ったり)をやめ、日焼け止めで膜を作り,紫外線対策とPM2.5をブロックして、パウダーで物理的に皮脂が出るのを抑えていくこと、足りない場合は皮脂の代用になる油分を用いることだと思います。
次に具体的な方法ですが、先に角層の構造について書きました。
水分層と脂質層で構成されているこの層は大まかにセラミドと呼ばれる脂質と結合水、自由水と呼ばれる水分からなっており、結合水は角質内でアミノ酸や脂質と結合した状態の水分、自由水はそれらと結合していない水分です。
イメージとして分かりやすいのは入浴後、肌の水分が増したように感じる状態です。自由水はその性質から非常に蒸散しやすいため、水分による保水と油分による保湿が必要になります。つまり、水分の補充を行なったのちに、油分で蓋をして逃げない状態を作ることが最初のステップです。
このステップは肌の炎症状態が激症の方にも有用です。炎症中は平時から有効な成分にも反応してしまうため、十分な保湿で肌を落ち着いた状態に戻すことが必要になります。
(そして栄養バランスの良い食事を摂り、体を動かしその日中に寝ることですが、これは不調中とても難しいのでできる時だけでいいのです。無理にやろうとするとストレスを感じて辛くなるので調子の良い方、良い時のみをお勧めします。)
上記ができて肌が落ち着いたら、次は良質なセラミドを使った製品を用いて、細胞間脂質の補充をしていくのがいいかと思います。細胞間脂質の補充をすることで、保湿された肌の安定性を高め、バリア機能、保湿機能を高められるのです。
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