【痛みの不思議】
私達が感じる痛み。
痛みはなぜあるのでしょうか?
もし痛みを感じなければ怪我をしても気づかないかもしれず、酷い怪我で血液が止まらなかったら・・
命の危険がありますね。
そう、痛みは命を守るための危険信号なのです。
例えば、カッターで手を切ったとします。
①切った刺激を受け取ります
②感覚の情報は神経と脊髄を通り、脳に送られます
③痛みの情報が脳に記憶されます
痛みの情報は、大脳辺縁系や前頭前野にも届けられ記憶されます。
次に同じことをしないよう、危険回避にもなっています。
痛みが伝わる仕組みはもう一つあり、
例えばサッカーボールが飛んできたとしたら、とっさに身を守りますね。
これを反射と言いますが、この身を守る時、脊髄が大急ぎで指令を出してくれています。
もしボールが当たったとします。
痛いところをさすると痛みが和らぎますし、痛い時には自分の手を当てたりしますね。
これには根拠があります。
痛みを伝える神経よりも、さすった感覚を伝える神経の方が太く情報が伝わりやすいのです。
つまり、さすった感覚の方が強いので痛みが少し楽になるということです。
また、さすってくれる人がいたら、さすってくれた人の愛情を感じるオキシトシンというホルモンが分泌されます。
全身どこでも痛みが起こりうるものですが、皮膚で刺激を感じる部分を感覚点といい、そのうち痛みを感じる部分は痛点と呼ばれています。
この痛点の数はとても多く、1平方cmあたり100〜200個もあるといわれています。
皮膚には、感触・力・痛み・温かさ・冷たさの5種類の刺激を感じる部位があります。
これらは体の場所によって数が違います。
この痛みですが、急性痛と慢性痛に分けて考える必要があります。
急性痛は、『それ以上負担をかけないで!』という体からのメッセージです。
その為、急性痛は私達にとって必要な痛みとも言え、鎮痛剤が有効とされていることが特徴です。
急性痛は、組織が回復していくことで鎮静化することが多いですが、慢性痛は長引きやすく痛み部位が長時間持続しているものを指しています。
慢性痛は鎮痛剤が効きにくく、抗うつ剤が有効とされる場合もあります。
不思議に感じますよね。
これには理由があり、痛みを感じる仕組みは2段階とされています。
◎一次痛・・・どこに痛みを感じているのか?
どの程度強い刺激だったのか?
これらを瞬間的に脳に伝え、強い痛みとして知覚される特徴があります。
どこかにぶつけた時に感じる『痛い!』という感覚です。
一次痛は警告信号の役割を果たしているため、脳内にある痛みを感じる領域に信号を送ります。
一次痛は一過性であり、少し遅れて鈍い痛みである二次痛へ移行していきます。
◎二次痛・・・一次痛の後の疼くように残る痛みです。
痛みの信号は、脳内にある複数の領域を経由し、痛みを感じる領域に送られるので、一次痛よりも遅れて感じます。
これらの信号は、
・自律神経に関係する間脳の視床下部
・情動に関係する島皮質や全帯状回
・記憶に関係する扁桃体や海馬
これらを経由するため、この機能にも影響を及ぼすことが知られています。
つまり、痛みは自律神経や感情、記憶に影響を与えてしまうということでもあります。
脳は感じたり、伝えたりする際、その目的や環境に応じて働く場所が決まっています。
見るために必要な視覚野、聞くために必要な聴覚野など、役割に応じた機能が脳内に局在しています。
しかし、痛みの刺激についてはその場所が明確になっておらず、むしろ脳全体で感じる仕組みになっています。
痛みを感じる仕組みが、命を守るための警告信号として重要な役割を担っています。
体が生きたいと言っているのですね。
アドレナル・セラピー(川本療法)では、神経を追跡し皮膚に刺激を入れていくことで、痛みが徐々に落ち着いていきます。
痛みについて書いていくと、とても長くなります。
今日のところはこの辺で😊
〜人体の不思議シリーズ〜
【人の体は何でできているのか?】
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