カウンセリング実績
【悩みがないというCさん】
活動的な雰囲気のCさんがカウンセリングにいらっしゃいました。
活発な雰囲気を持ち合わせていますが、体験カウンセリングの時は、一時の目線を合わせることも難しい女性でした。
ですが、体験カウンセリングとメールでのやり取りをさせていただいていた為、カウンセリングをスムーズに行うことができました。
Cさんは最初、『悩みらしい悩みってないと思っているのですが、何となくモヤモヤするんです』と仰いました。
確かに、カウンセリングがスタートしたばかりの時点では、職場の人間関係の煩わしさしかお話されませんでした。
初めは、心の不調も体の不調も何一つ伺えませんでした。
しかし、体験カウンセリングが終わる頃には、解決しなければならない大きな悩みが幾つも浮き彫りになり、継続カウンセリングに移行することになりました。
Cさんが特別なわけではなく、自分一人では自分の本当の悩みに気がつけない場合もあるのです。
【母親との確執】
話していくうちに、少し信頼してくれたのでしょうか。
親子関係にわだかまりがあることを、苦々しい表情で話してくれました。
また、母親との関係は、自分で見ないフリをしてきたのでしょう。
帰省する気になれず、もう5年も帰っていないとのことでした。
Cさんの母親のイメージを伺うと、
・Cさんを見てくれない
・幼少期、本当は悩んでいたのに、何一つ聞いてくれなかった
・食事をほとんど作ってくれなかった
・自分勝手な親だった
このように、母親に対し、一つとして良いイメージがありませんでした。
しかし、このような方はとても多いのです。
そして、当時は見ないフリができる程度の小さな違和感でも、10年・20年先には、
『手に負えない程の大きな問題になる可能性がある』のです。
私自身も似たような経験があり、これまでのクライアントさんにも、同じような確執がある方が多いことをお伝えした結果、本格的なカウンセリングをスタートさせることになりました。
【心理療法スタート】
まず、Cさんに心理療法を試していただきました。
自分の中の辛い感情を一旦外に出し、Cさんの母親がどうしてそのような言動をしたのかを知るワークです。
しかし、ワークに半分取り組んだところで、
『私、これ以上書けません』
『実家へ帰り、母親の顔を見て、自分の心と向き合わないと書けません』
そう仰り、カウンセリングの続きはメールと電話でサポートさせていただくことになりました。
【5年ぶりの帰省】
ご実家に帰ると仰ったCさんに、帰省の3日前、
『今の心境はいかがですか?』とメールをしました。
Cさんは、
『胸が騒ついています。
親にこれまでの子育てを聞いても、何の解決にもならないどころか、″いきなり何を言っているの?″と拒否されるかもしれないと思うと、心が苦しいです。』
このようにお話ししてくれました。
5年も帰省していない上に、20年以上も心の奥にしまっていたことを話すのですから、苦しくないわけがありません。
少しでも不安を取り除くため、帰省の前日、1時間の電話カウンセリングをさせていただきました。
人は、考えてさえいれば、前に進んでいると思いがちです。
しかし、一人で考えているだけでは、幸せな人生になるための良い考え方をするのは難しいものです。
信頼できる人に心のままに話すこと、言語化することが必要なのです。
Cさんの思いをお聴きし、最後に、
『親も間違えることがある』ことをお伝えしました。
全能で完璧な親など、この世に存在しないのですから。
【忍び寄る体の不調に何ができる?】
Cさんは、母親との関係性は安定していきそうだけれど、心のモヤモヤがまだ残っているので、
『引き続きのカウンセリングをお願いします』と仰っていただけたので、体調についてお聴きしました。
今の体の悩みは、頭痛・胃腸障害・自律神経失調症(病院の診断では異常なしだったとのこと)
だとのことでした。
※自律神経失調症は正式な病名ではなく、交感神経と副交感神経の二つからなる自律神経のバランスが崩れた場合に起こる症状です。
(具体的な症状・・・めまい・冷え性・頭痛・肩凝り・イライラ・不安・不眠・記憶力低下・集中力低下・疲労感など)
どの時間・どのタイミングで痛みや不調がでるか、日記をつけていただくようお願いしました。
食事の内容や、その時々の感情も一緒に書いていただきました。
私はカウンセラーですので、病名をつけたり薬を処方することはできません。
しかし、病院で検査した結果、何の異常もないのであれば、心理面からのアプローチと食生活の改善で、ほとんどの方が快方に向かわれます。
ほんの小さな習慣の変化で、数ヶ月後には驚くほど快くなるケースが多いのです。
Cさんは、ご自身のパターンに気がつき始めました。
・夜間に目が覚めると、その後しばらく自分を苦しめるような思いに支配される。
・夜間に目が覚める前日、食事を疎かにしていた。 早食いだった。
・寝る直前、悲観的な考え方をしていた。
・仕事から帰っても、気持ちの切り替えができず、同居しているパートナーと言い合いをしていた。
これはほんのごく一例ですが、誰にでも無意識レベルの思考の癖・食事の癖があります。
これらを見直し、できることから一つずつ、普段の生活に良い習慣を落とし込んでいくことで、思考と行動が大きく変化していきます。
このようにして、改めたほうが良い食生活を、意識的に良いものに入れ替えをしていきました。
体は、食べて消化したもので作られています。
しかし、胃腸が健康ではない状態で食べても、消化吸収されていない場合もあります。
その為、消化力を高める食べ方や内容が必要なのです。
睡眠には、良い食事(野菜・肉や魚・炭水化物)と、それに加えて質の良い糖質が必要です。
良い睡眠には、必要な栄養素は実はとても多いのです。
また、生活習慣もコツを知っておくと自律神経が整いやすくなります。
食事と食事の時間の間隔や食事量の割合、入浴の仕方、軽い運動療法とメンタルケアを取り入れることで、健康な人でも更にパフォーマンスが上がっていきます。
これらを習慣化し、一人でも無意識でできるようになるというのは、なかなか難しいものです。
人は自分のこととなると、『自分に優しくするとは何なのか』がわからなくなりがちです。
自分に優しくするとは、健全なる心身を心掛けるということを、忘れてはなりません。
このようにCさんと一緒に、心理・生活習慣の改善・食事の見直しをしました。
一時すらも目を合わせることを怖がっていたCさんは、4ヶ月も経たずに私と視線を合わせられるようになり、微笑みを讃えた女性になっていました。
Cさんは、
『心が満たされるということはどういうことか、生まれて初めて理解できました。
心の騒つきもなくなりました。
体調も、頭痛と胃腸が改善し、痛みに悩まされることが少なくなりました。
何より、何かがあっても何もなくても幸せだと感じられるって、良いものですね。
見守ってくれる人がいるから乗り越えられました。』
こんな風に仰っていただけました。
人と目を合わせることができず、自分の本当の悩みは何なのかも分からず心が騒ついていたCさんは、
同居していたパートナーと結婚することが決まり、ご自身の両親との関係も良好になり、体調も改善し、何より笑顔で自分らしく生きられるようになったのです。
心の声を無視していたら、Cさんは全く違う人生を歩んでいたかもしれません。
日々の小さな習慣や考え方が、人生を形作るのですね。
無料カウンセリング行っております。
お問い合わせ・ご予約はこちらからお願いいたします。
https://counseling-amoretto.com
エポソレ 川野綾子
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