胃腸からはじまる肝臓と腎臓への負担
「タンパク質は多いほど健康」は本当でしょうか?
ここ数年、高タンパクが健康の代名詞のようになりました。
コンビニには「高タンパク」と書かれた商品が並び、筋トレをしていなくても毎日プロテインを飲む方も珍しくありません。
もちろん、タンパク質は筋肉や免疫を作るために欠かせない大切な栄養素です。
しかし、「多ければ多いほど良い」というものではありません。
施術でも、胃腸の不調や慢性的な疲労を抱えた方にお話を伺うと、健康のために高タンパク食を続けている方が少なくありません。
ところが、胃腸が弱っている方では、タンパク質を十分に消化・吸収できないことがあります。
さらに、吸収されたタンパク質を代謝したあとに生じる窒素を含む老廃物は、最終的に腎臓が処理しています。
つまり、必要以上の高タンパク質は、腎臓の仕事を増やすことになります。
腎臓は一日に1,500リットルもの血液を濾過していると言われています。
これは家庭用の浴槽7〜8杯分にもなる量です。
だからこそ、普段から大切にしたい臓器でもあります。
実際、医師の間でも、高タンパク食を長期間続けることによる腎臓への負担について注意喚起されています。
特に、運動量が少ない方、高血圧のある方、糖尿病のある方、もともと腎機能が低下している方では、必要以上のタンパク質摂取には注意が必要とされています。
糖質制限が悪い、プロテインが悪いと言っているわけでなく、大切なのはその方の身体に合っているかどうかです。
スポーツ選手とデスクワーク中心の方では必要量は違います。
胃腸の働きが弱っている方と、元気な方でも違います。
胃腸で十分に消化・吸収できなかったり、必要以上にタンパク質を摂り続けたりすると、その代謝を担う肝臓や、老廃物を排泄する腎臓にも負担が及ぶことがあります。
腎臓は、体内で不要になった老廃物や余分な水分を尿として排出するだけではありません。
電解質のバランスを保つ、血圧を調整する、赤血球を作る働きを助ける、骨の健康に関わるビタミンDを活性化するなど、生命を維持するために欠かせない役割を担っています。
ところが腎臓は、沈黙の臓器とも呼ばれています。
かなり機能が低下するまで自覚症状がほとんど現れません。
施術でも、疲れやすい、身体に力が入らない、浮腫みやすい、夜中に何度もトイレに起きる、日中もトイレが近いといった変化が見られる方がいます。
また、腎臓は老廃物の排泄や体内環境の維持に深く関わっているため、機能が低下すると体内のバランスが崩れ、結果としてアレルギー症状が悪化したり、慢性的な疲労感や倦怠感を訴える方もいます。
もちろん、アレルギーの原因は一つではありません。
腸内環境や免疫、遺伝的要因など、さまざまな要素が関わります。
腎臓も全身の健康を支える重要な臓器の一つです。
身体は一つひとつの臓器が支え合って働いています。
流行っているから、健康に良いと聞いたからではなく、今の自分の身体には何が必要なのか。
その視点を持つことが、本当の健康への第一歩だと考えています。
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