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劣等感と向き合う

今日は、劣等感との付き合い方を考えてみたいと思います。

以前の私は自分の劣等感を認められませんでした。

それは、自分が他人より劣っていることを認めたくなかったからです。

よく、「よりよく生きるには、ありのままの自分を受け入れ自分を好きになりましょう」などと言われていますが、人間そんなに簡単なものじゃないと、自分を見つめることを後回しにしていました。

自分の劣等感を受け入れることって、恐ろしく勇気が入りますよね。

生きていれば、自分の口から出た言葉で自己嫌悪に陥ったり、今の自分には価値がないと感じることもあります。

けれど、今以上の幸せを望んだ時、この劣等感と対峙しなければならないことを痛感します。

乗り越えなけれればならないのは、他の誰でもない自分なのだと気が付いた時、あなたならどんな行動をするでしょうか?

偉人を例に挙げれば、大火傷の傷跡に対する劣等感を克服して世界的な学者となった野口英世がいます。

野口英世は1歳半の頃、囲炉裏に落ちて左手に大火傷を負い、まるで「コブ」のようになってしまったといいます。

実家は貧しい農家でしたが、後を継ぐことは困難と考え、学問に励みました。

その後、小学校4年生になって、左手の手術を受けました。

完全に治ったわけではありませんでしたが、手術によって医学の素晴らしさを知り、主治医の医師のところへ弟子入りをしました。

通常なら数年はかかるという医術開業試験を1年でパスし、21歳の時に医師の資格を取得したというのです。

人は、劣等感を持っているからこそ、それを補う為に努力していくのですね。

そして、それを通じて人格も作られていくのでしょう。

私の場合は、劣等感を強く持っていた自分というのを確かに覚えています。

劣等感を隠そうとし、他人に尊大になったり攻撃的に振る舞ったりという形を取っていたことを。

身体的・精神的な原因によって劣等感を持つとき、それを補おうとする心の働き、すなわち防衛規制だとわかったのは心理学の勉強をするようになってからでした。

勉強する中で劣等感は自分を成長させてくれるものだと理解できた時、私に1番足りないものは親との良い関係だとぼんやりと考えていました。

自分を産み育ててくれた両親に対して、どうしても受け入れられないものがあったのです。

そのような自分を受け入れられないまま月日が経ち、物事の本質が見えなくなっていました。

しかし、これまでも苦しみ続けた親子関係なのに、今以上に乗り越えなければならないのかと知ったとき、呆然としました。

心理学を学ぶ中で気がついてしまったこと。
それは、親との確執でした。

私には手に入れたいものがありました。

子供との関係をより良好にすること、パートナーと最高の関係になること、仕事を軌道に乗せること。

変わりたいと心の底から思った時、怒りも同時に沸き起こっていました。

これも防衛規制の一つでした。

劣等感に苦しんでいる時は、問題の中に入り込み、周りが見えなくなりがちです。

ものごとの1面だけしか見れなくなってしまいます。

そして劣等感に対する意味付けがマイナスになりがちです。

しかし、劣等感がもたらすプラスの側面に気づくことができたら、いかがでしょうか?

その瞬間から、マイナスの感情は緩み、劣等感への意味付けが肯定的に変化し始めます。

それだけで、思考、感情、行動がプラスに変わります。

私たちが持つ劣等感という感情は、自分を高みに昇らせてくれるものなのですね。

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